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ちいさくってかわいらしい顔つきのおばあちゃんはヘルパーさんたちの人気者だったようで、時々「家に帰る」と駄々をこねてケガをする以外は、数えで96歳の今日までボケも進まずにすみました。
日勤のほとんどのヘルパーさん、職員さんに見送られ、施設の正面から出させて頂き、あんなに帰りたかった、でもこの時を迎えるまで帰ることが許されなかった自宅へ、やきもの散歩道の写真そのままの細道を通っておばあちゃんは帰りました。
朝、顔つきが良くなったので私は仕事に、母は銀行に・・・一旦意識がはっきりし、水をのんだ時を見ることができず、母が着いた時には虫の息、私が着いた時にはもう眠ってしまっていました。
後悔はないといったらウソになりますが、最後にお水を口にできてよかったと、母も私も自分を納得させています。
「写真そのままの景色」は、90歳近くまで歩いて医者に通えるだけの体力を生んだ一方で、家での介護を阻んだ一因ともなりました。全国津々浦々、坂の町がどこもかかえる問題なのかも知れません。「やきもの散歩道」の景色には観光客よりもおばあちゃんたちのスローライフの方が本当は似合うのかもしれません。
みなさん、あたたかいお言葉、ありがとうございます。
それでは2、3日留守にしますね。
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